不動産DX記事まとめ

会話型AIによるテレアポ代替ソリューションが登場。

作成者: 片山 幹健|24/04/09 4:50

先日、アメリカのAirというスタートアップが、電話で 5 ~ 40 分間の販売および顧客サービスの通話を人間のように行うことができる会話型AIを発表しました。Webサイト上のデモでは、Apple社のVision Proの販売スタッフがお客様に電話をかけて、営業するやり取りを聞くことができます。少し違和感のある部分もありますが、音声だけ聴くとAIとやり取りしているとは思えないクオリティに驚きます。

air.ai

現在ベータテスト中とのことですが、すでに70,000 社を超える企業が待機リストに登録しており、そのニーズの大きさを伺えます。

不動産クラウドによるテレアポ代替ソリューション

不動産クラウドでも、試験的にAIによるテレアポ代替ソリューションの提供をはじめました。現状は、対応できる領域やフローが限定的ではありますが、AIによる自動テレアポで非効率なテレアポから解放されます。初期設計として、トークスクリプトの整備やAIによる応答をよりナチュラルにするための学習が必要です。

物上げや販売物件のご案内など不動産事業においてテレアポが必要なシーンは多いですが、電話番号のリストに営業の方が上から順番に電話をかけていくのはとても非効率かつ精神的な負荷も大きいです。不動産クラウドは、指定した電話番号リストに対してAIが自動で電話をかけ、トスアップ(詳しい話を聞いてもいいと言っていただけるお客様の確認)までを代替してくれるサービスです。

①AIによる自動架電

指定した電話番号のリストに対してAIが自動で電話をかけます。事前に指定しておいた名乗り時のトークスクリプトをベースに会話を開始します。

現在は、担当者個人の携帯電話番号に直接架電する場合に最適化しておりますので、代表電話番号に架電して担当窓口につないでもらうテレアポの場合は、別途設計が必要になります。

AIは自身の判断で会話をつなげつつ、相手の回答内容から「話を聞いてもらえない場合」なのか「話を聞いてもらえそうな場合」なのかを判断します。

例えば、以下のような回答について判断を行います。

話を聞いてもらえない場合

「いまちょっと忙しいので、すみません。」

「興味ないので」

「・・・」

話を聞いてもらえそうな場合

「あ、そうなんですね」

「少しだけなら・・・」

②AIによる日程調整

最初の会話で話を聞いてもらえそうとAIが判断した場合、事前に設定した簡易説明時のトークスクリプトに沿って簡単なご案内をAIが行い、その後より詳しい説明を担当者からさせていただきたい旨を打診します。

簡単なご案内の後、

「よろしければ、あらためて担当から詳しいご案内をさせていただきたいのですが、担当からご連絡させていただくのに、ご都合のよろしいお時間を教えていただいてもよろしいでしょうか?」

相手から電話口で口頭で候補日時を伺う方法のほか、SMSでオンライン会議の日程調整リンクをお送りさせていただくことも可能です。

最後に、クロージングトークとして、

「担当者よりあらためてご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。お時間いただき、ありがとうございました。失礼いたします。」

という流れで終話します。途中、予期していない質問などが出てきた場合は、

「申し訳ございません、私は詳しくは存じ上げず、よろしければ担当者よりご案内させていただきます。」

という回答を基本的には行います。

終話後は、会話内容はSalesfoceなどのCRM/SFAに連携可能です。

また、最初の会話でAIが話を聞いてもらえなさそうと判断した場合は、粘らずクロージングトークに移行します。

「お忙しいところ、失礼いたしました。またご案内させていただくこともあるかと存じますが、今後ともよろしくお願いいたします。それでは、失礼いたします。」

上記の場合も会話内容をCRMに連携し、再コール対象にするかを記録することなどが可能です。

まとめ

会話型AIによるテレアポ代行はまだ人と全く同じようなパフォーマンスを発揮できるわけではありませんので、まずはトークスクリプトとの併用や簡易なフローにすることで、品質を担保しているのが本ソリューションの特徴です。

テレアポのすべてを代替できるわけではないとはいえ、話を聞いてくれそうな温度感のお客様に対してのみ人が対応すれば良いことにできるので、テレアポの効率を高めたり、社員のテレアポによる精神的負荷を下げることに寄与すると考えています。

現在、試験提供中ですので正式版のローンチに向けて学習に協力いただける企業様を募集しております。テレアポに課題感を抱えている企業様はぜひお声がけください。