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不動産会社におすすめのCRMツールとは?

作成者: 片山 幹健|23/11/04 5:54

不動産会社にとっても重要なCRMツールの活用方法について解説します。

マーケティングにおいて、CRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)というツールについてよく聞くようになりましたが、なぜ導入が増えているのか、どんなことができるのかなどを簡単に紹介します。以前は、高額なツールで大手企業向けという印象も強かったですが、最近は月額数千円から導入できるようになりましたので、少数の限られた顧客だけでビジネスが完結しますというようなスモールビジネスでない限りは早期に導入することがおすすめです。

不動産会社がCRMツールを導入するメリット

CRMの導入が加速した背景に、デジタルの顧客接点の重要度が増してきたことが挙げられます。以前は、「紹介営業でアプローチして商談を複数回行って成約に至る」「広告を見て電話でお問い合わせがあり、そこから商談して成約に至る」などデジタルの顧客接点を一切介さずに成約することがわりとありました。しかし、今は「スマホに偶然表示された広告で認知する」「Web検索で情報収集する」「比較検討のために競合をWebリサーチする」「メールで送られてきた情報を読む」などデジタルの顧客接点がほとんどの場合、複数あります。
そのため、CRMツールでデジタルの顧客接点での接触履歴(Webアクセスやメールの開封履歴など)を含む顧客データを管理し、そのデータを基にMAツールでWebサイト閲覧時の表示内容を出し分けしたり、Web広告の配信を対象ごとに出し分けしたり、メール送付の内容を出し分けしたりすることでマーケティングをより効果的に実施できるようになりました。
以下では簡単にどんなツールがあるのかを紹介します。
CRMツールやMAツールと呼ばれるものは、それぞれが別々にあるというよりも、いくつかの製品がまとまっていて、その中から必要な製品を組み合わせて契約するタイプが多いです。また、それぞれAPI連携できることが多いため、複数の企業のツールを組み合わせて構築することも可能です。

不動産会社がCRMツールを導入するメリットには、以下のようなものがあります。

1. 顧客情報の一元管理:CRMツールを導入することで、顧客の連絡先情報や物件の情報、取引履歴などを一元管理することができます。これにより、部署間での情報共有や顧客対応の効率化が図れます。

2. 顧客満足度の向上:CRMツールを活用することで、顧客とのコミュニケーションを円滑に行うことができます。顧客の要望や問題を迅速に把握し、適切な対応を行うことで顧客満足度を向上させることができます。

3. 営業効率の向上:CRMツールは、営業活動を効率化する機能を備えています。例えば、スケジュール管理やタスク管理、見込み客の管理など、営業担当者の業務をサポートする機能があります。これにより、営業活動の効率化や成果の向上が期待できます。

以上のようなメリットがあるため、不動産会社にとってCRMツールの導入は非常に有益です。

不動産会社に適したCRMツールの選び方

不動産会社に適したCRMツールを選ぶ際には、以下のポイントに注意する必要があります。

1. 物件管理機能:不動産会社では、物件情報の管理が重要です。CRMツールには、物件の情報を一元管理できる機能が必要です。また、物件の写真や動画の登録、物件の状態の管理など、不動産会社の業務に合った機能があるか確認しましょう。

2. 顧客管理機能:CRMツールでは、顧客情報の管理ができることも重要です。顧客の連絡先情報や取引履歴などを簡単に検索・閲覧できる機能があるか確認しましょう。

3. レポート機能:不動産会社では、営業成績や顧客動向の把握が必要です。CRMツールには、営業成績や顧客動向を可視化するレポート機能があると便利です。

以上のポイントを考慮しながら、不動産会社に適したCRMツールを選ぶようにしましょう。

以下に、いくつかおすすめのCRMツールを紹介します。

Hubspot

Hubspotは、インバウンドマーケティングというWebコンテンツ(ブログ記事など)をフックに見込み客を惹きつけるタイプのマーケティング手法を提唱しており、対象となる顧客が広めのサービスやテレアポなどでがんがん営業かけると顧客獲得コストが合わないようなそこまで単価の高くない商材と相性が良いです。費用面でも、無料から利用できて、有料プランも月額6,000円~と使いやすい価格帯です。また、アカウント数に応じた課金ではなく、有料機能を利用しないアカウントであれば幾つでも発行できるのも魅力的です。

Salesforce

Salesforceは、Sales Cloudと呼ばれるCRMの機能だけなら1ユーザーあたり3,000円/月から利用できますが、MAの機能を使う場合は、Marketing Cloud Account Engagement (旧Pardot)が月額150,000円からですので、金額がだいぶ上がります。Salesforceは、SFAと呼ばれる営業活動支援の領域に強いので、商談化後の営業プロセス管理が重要になる高価格な商材と相性が良いです。また、カスタマイズや他ツールとのAPI連携にも強いので、自社の基幹システムとのつなぎ込みが必要な場合なども向いています。

Zoho CRM

Zoho CRMは、SFAやMAの機能も利用できて1ユーザーあたり1,680円/月から利用できますが、データストレージが200MBしかないので、本格的に運用する場合は、プランのアップグレードが必要になるかと思います。機能は大体Hubspotと似ているので、インターフェースの使いやすさなどで比較するのが良いかもしれません。

Freshsales

Freshsalesは、CRM+SFAのツールですが、FreshmarketerというMAツールとパッケージになったFreshsales Suiteという製品があり、15ドル/月から利用できます。機能は大体Hubspotと似ていますが、SMS配信と電話の録音機能が標準で入っているなど少し機能に差があるのと、自動化機能(ワークフロー)の使い方に少し違いがあるので、使いやすさで比較すると良さそうです。

今回は、オーソドックスな機能を全て備えている4つのツール(いずれもグローバルに利用されているツール)を紹介しましたが、他にも特定の機能に強いツールがたくさんあるので、まずはオーソドックスなものを安価に導入してみてマーケティングの運用が見えてきたところで他ツールと連携させる、もしくはリプレイスすることを検討すると良いと思います。(早期にツールを導入していると、エクセル等で管理しているのと比べて移行もスムーズにできます)

CRMツール導入による効果と成功事例

CRMツールの導入による効果としては、以下のようなものがあります。

バリューアップについて

例えば、顧客体験の向上で言うと、お客さまのWebサイトの閲覧データに合わせてお客さまが見たいと思われるコンテンツを表示・案内することができたり、逆に営業メールを必要としないお客さまにはしつこいアプローチを避けることができたりします。
商品価値の向上の観点では、CRMではリード〜商談〜成約のお客さまの情報を管理するだけでなく、契約後の顧客の情報も管理できますので、カスタマーサクセスの領域でも活用が可能です。例えば、契約直後のお客さまであまりログインされていない方がいた場合に、使い方をご案内するためのメールを送付したり、ミーティングをセットしたりできます。また、定期的にログイン後の画面にフィードバックアンケートを表示して契約後のお客さまに回答していただき、顧客満足度を計測したりします。
また、広告施策の最適化の観点では、どの流入ソースから入ってきた顧客が最も成約しているかを把握できたり、CRM内の顧客データをGoogleやFacebookの広告アカウントに連携して広告配信を最適化するカスタマーマッチなどが実現できます。

業務改善について

上述の施策はツールがないと実現できないわけではないです。しかし、ツールがあることで自動化による工数削減ができる部分が多いです。例えば、お客さまの状態に合わせたWebサイト上のコンテンツ表示やメール配信なども条件を設定することで自動的に表示、配信が可能です。また、広告アカウントとのデータ連携を自動化しておくことで、広告施策別の成約コストをリアルタイムで可視化したり、広告アカウントへの顧客データの連携の工数が大幅に削減できます。
CRM/MAツールの導入は、マーケティング〜セールス〜カスタマーサクセスというお客さまと接する一連の流れを型化するために有効なため、業務精度の向上、トレーニングコストの削減にも寄与します。例えば、マーケティングで言うと広告配信やメール配信を効果検証しながら実施できるようになったり、セールスもパイプライン管理(商談〜成約までのプロセスを段階別に分けて管理)することで、注力すべき商談を決めたり、放置商談を減らしたりできます。カスタマーサクセスもお問い合わせをチケット管理し、対応漏れの防止やエスカレーション時の対応をルール化しておくことが可能です。

まとめ

不動産会社にとってCRMツールの導入は非常に重要です。CRMツールを導入することで、顧客情報の一元管理や顧客満足度の向上、営業活動の効率化などのメリットが得られます。また、CRMツールの選び方や具体的な活用方法についてもご紹介しました。不動産会社がCRMツールを活用することで、業務効率の向上や成果の向上を実現できるでしょう。

ぜひ、不動産会社におすすめのCRMツールを導入して、業務の効率化と競争力の向上を図ってください。