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時価総額ランキングで見る国内不動産スタートアップ②

日本国内の不動産スタートアップの時価総額ランキングの上位をピックアップしています。


不動産クラウドが、独自に調べたところ、2024年4月時点で、不動産スタートアップ(ベンチャーキャピタル等から株式による資金調達を行なっている未上場企業)は国内で134社でした。今回は、不動産スタートアップに限定して、時価総額順に10社紹介していきます。第二弾は6~10位までを紹介します。弊社の独自調べなので、時価総額など正確な数値ではない場合もありますが、ご了承ください。

6位:株式会社THIRD(時価総額 約72億円)

株式会社THIRDは、不動産管理業務を効率化するシステムの提供するスタートアップです。不動産管理の効率化・自動化システム『管理ロイド』は、不動産管理の中でもビルメンテナンスやビルマネジメントと呼ばれる現場作業の領域をDXしており、日々の点検データをアプリ、IoT デバイスで収集し、収集したデータを基に報告書出力・作成、人工知能(AI)による設備機器の異常判定が可能です。加えて、建物管理に関するすべての情報をダッシュボードで一元管理し、不動産オーナー、協力会社との連携をスムーズにできます。 

不動産管理の構造は、多重下請け構造になることが多く、複数の会社を跨ぐことからDXが難しかったり、報告業務の負荷が大きく非効率な業界でした。不動産所有者からPM(プロパティマネジメント)会社と呼ばれる大手の不動産管理会社(大手の不動産デベロッパーはグループ会社でPM会社を持っていることが多いです)に不動産管理を委託し、そこからBM(ビルマネジメント)会社をはじめとした各専門協力会社に再委託を行います。そして、多くの場合はそこから各作業(清掃、設備点検、警備、工事など)ごとにさらに再々委託が行われます。

管理ロイドは大手不動産管理会社を中心に、既に2,200社以上で導入されており、不動産管理のバリューチェーン全体をDXしています。人件費の高騰や人手不足などで不動産管理の領域もこれまでの人力に頼るオペレーションが難しくなってきていますので、どこまでDXが進むか注目です。

7位:株式会社TERASS(時価総額 約57億円)

株式会社TERASSは、不動産仲介業がエージェント個人でも行える環境、プラットフォームを提供するほか、住宅を購入したい人と不動産エージェントをマッチングするサービスも運営しています。

個人が誰でも不動産エージェントに挑戦できるプラットフォームを提供しており、現在500名以上が不動産エージェントとして登録しているようです。住宅などエージェントが間に入ってやり取りしないとなかなか直接のマッチングが難しい商材というのはいくつかありますが、いわゆる不動産仲介会社ではなく、仲介のような動きができる個人の力を活用するという切り口がこれまでの不動産仲介とは大きく異なる点です。

アメリカにも類似のサービスで「PLACE」というサービスがあるほか、他の業界でも個人の力を活用したエージェントプラットフォームは結構あり、代表的なのは人材紹介の領域です。個人で、人材紹介のようなビジネスをしている方向けに求人情報を提供したり、業務効率化のためのプラットフォームを提供していたり、自社の採用プラットフォームの求人情報を個人で人材紹介、エージェントをしている事業者に解放する企業は多いので、それの不動産版という捉え方もできるかもしれません。

Place-home-search-technology

 

8位:株式会社ライナフ(時価総額 約50億円)

株式会社ライナフは、スマホを鍵代わりにする技術をマンションなどに提供する企業で、主力サービスの『Ninja Lock』は、スマートフォンで開錠、施錠ができるスマートロックです。

近い企業ですと、Akerunを提供しているPhotosynthが上場しています。Akerunは、オフィスなど商用不動産を中心に導入が進んでいるのに対して、Ninja Lockはマンションなどに特化している印象を受けます。

ちなみに、Photosynthは決算資料によると2023年12月時点で導入5,400社超、売上約25億円、従業員数は150名でした。ライナフは、従業員数が50名程度なので、一概には言えませんが、概ね3分の1程度の規模感ではないかと考えられます。

不動産テックの株式会社ライナフ、東急不動産ホールディングスから資金調達を実施 | Techable(テッカブル)

9位:RESTAR株式会社(時価総額 約40億円)

RESTAR株式会社は、不動産投資を行う事業者(デベロッパー、不動産ファンドなど)をメインターゲットとする BtoB 向け情報プラットフォームを提供しているスタートアップです。具体的には不動産の取得検討を行う際に役立つ情報検索・分析プラットフォーム「REMETIS(レメティス)」を開発・提供しています。 「REMETIS」は、バラバラの情報ソースを巡る異なる体裁の地図の比較をする必要がなく、大量の不動産・地理情報にワンクリックでアクセスができたり、社内のすべての情報を地図にひも付けて自動データベース化できるので、社内の各部門、担当が得た情報が埋もれずに活用可能です。

 

10位:株式会社スタイルポート(時価総額 約40億円)

株式会社スタイルポートは、主にマンションや戸建てなどの住宅販売を支援するシステムを開発する企業で、主力商品はVRを活用し物件の内覧ができる『ROOV walk』や物件販売現場で必要な資料、眺望写真等を集約した『ROOV compass』などを提供しています。3DCG技術によって、住宅展示場やモデルルームに行かなくとも購入検討者に住まいイメージを持ってもらえるのが特徴です。

株式会社スタイルポートのプレスキット|PR TIMES

まとめ

以上が、時価総額1~10位の不動産スタートアップでした。物件のカテゴリとしては、住宅領域が多く、ビジネスカテゴリとしては、売買の領域が多い印象を受けました。また、今回はベンチャーキャピタルから株式による資金調達をしている未上場企業に限定してランキングしましたが、上記には該当しないが、急成長している不動産スタートアップも数多く見られました。

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