データ

年間の取引総額は約4兆円。巨大な事業用不動産マーケットについて解説します。

法人間の公表された不動産取引だけで年間4兆円という巨大な事業用不動産マーケット。公表された不動産取引ベースで、2013年以降は年間の取引総額4兆円で安定推移しており、取引件数は700件/年、1件あたり取引額は57億円です。


事業用不動産とは?

事業用不動産は、法人が事業活動に使用するために保有する不動産のことを指します。これにはオフィスビル、商業施設、工場、倉庫などが含まれます。日本の事業用不動産の総額は約300兆円と推定されており、そのうち流動化されている金融商品(不動産投資信託や株式など)は約30兆円程度です。事業用不動産は企業の業績や戦略に密接に関連しており、資産の一部として重要な役割を果たしています。

特に、CRE(Corporate Real Estate)と呼ばれる大企業や金融機関などが保有する大規模な不動産ポートフォリオは、その企業のビジネス展開や経営戦略に直結しています。これらの不動産は、企業の本社や支社、店舗など、業務の拠点として使用されるだけでなく、資産の運用や収益化の一環としても活用されています。

事業用不動産の取引額推移について

【取引額が公表された国内不動産の取引額推移】

単位:兆円 出所:みずほ信託銀行株式会社「不動産トピックス」

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2013年以降、アベノミクスの政策のもと、日本の経済が回復基調に入りました。これに伴い、量的・質的金融緩和政策が導入され、金融商品の取引量が増加しました。その結果、不動産市場も活況を呈し、法人間での不動産取引額が急増しました。

具体的な数字を見ると、直近は年間の不動産取引総額は安定しており、約4兆円で推移しています。これは、法人間での不動産取引が大規模かつ重要な取引であることを示しています。取引件数も年間約700件であり、1件あたりの取引額は約57億円となっています。

このような活発な不動産取引市場は、企業の成長や業績向上に伴い、新たな拠点や施設の需要が生まれることを示唆しています。また、経済の変動や投資環境の変化によっても取引額や件数に変動が生じる可能性があります。法人間の不動産取引は、企業の戦略と直結しており、市場の動向に敏感に対応することが求められます。

今後のマーケット展望

不動産リート(不動産投資信託)によって、大規模な不動産取引は一巡したと言えますが、日本国内の中規模オフィスビルには新たな需要の動向が見られます。これは、1980年代から1990年代に建設されたオフィスビルが多く、老朽化が進んでいるためです。

近い将来、これらのビルが大規模なリニューアルや建替を必要とするタイミングに差し掛かるでしょう。このような状況において、老朽化したビルを持て余す事業者が不動産取引市場において活発に動くことが予想されます。彼らは、需要がある新たなオフィススペースや施設を求める企業に対して、適切な物件を提供することで需要に応えることができるでしょう。

また、持続可能性やテクノロジーの進化に伴い、スマートビルやサステナビリティに配慮した建物への需要も増えると予想されます。これによって、既存の不動産取引市場においても新たな動向が生まれる可能性があります。

日本の法人間で取引される不動産マーケットは、年間4兆円という巨大な規模を持ち、事業用不動産の需要や取引額は安定しています。また、将来的には中規模オフィスビルのリニューアルや建替需要が増える見込みです。これらの要素を踏まえ、不動産市場は変化し続けるでしょう。事業用不動産を保有する企業や投資家にとって、市場の動向を把握し、ニーズに合わせた戦略を立てることが重要です。

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不動産DX記事まとめは、事業用不動産、不動産DXに特化した不動産情報メディアです。

日本は、1980~90年代に建設されたビルが多く、築40年を経過して老朽化が進んだビルが増えてきました。ここでは事業用の不動産に関する情報および不動産DXに関する情報発信を行っています。(掲載記事の多くは、試験的にChatGPTにライティングをお願いしています)